アナログな印刷方法による紙雑貨の制作

活版印刷を用いたカレンダーの制作

クイケン ステラ

学長賞AWARD2023

作品仕様

◯アナログカレンダー
アナログなアイテムをモチーフに、ゴム版画で背景となるイラストを刷り、その上から活版印刷で圧をかけて文字を印刷。カレンダーのカード12枚と時計の文字盤4枚がセットになっており、差し替えながら使える。

◯アナログカレンダーのパッケージ
カードのみの物と、台などがセットになった物の2種類のパッケージがある。初めはセットを買い、次年度からはカードのみを買い足してもらう想定の商品だからだ。カラーバリエーションに合わせてパッケージも3種類ずつ用意した。

◯キーチェーンカレンダー
持ち運べる活版印刷としてより日常に取り入れられる形である。非常に細かい為、活字ではなく樹脂版の2色刷りで制作した。

◯アドベントカレンダー
6種類のフォントの活字を使い、それぞれの日にちを印刷した。小さな引き出しにキャンディーなどが入れられる。

教員講評

デザインのほぼすべての工程がPCモニター上で完結する現在にあって、作者は活版印刷というオールドメディアに取り組んだ。バラバラな鉛の活字を一文字ずつ正確・丁寧に並べる組版作業には、根気と繊細なタイポグラフィセンスが要求される。作者は今回の制作を通じて「温故知新」の体験的な学びと、暮らしに身近な日用品に手作りの温もりをもたらすことに成功している。研究(input)と制作(output)を見事に両立させた真摯な卒業研究である。