建築・インテリア学科 インテリアデザインコース

作品仕様
作品解説
近年、子ども部屋は一般化しており、多くの親が子どもの「自立」を目的として部屋を与えている。しかし実際には子ども部屋を与えても自立に結びつかない家庭も多く、子ども部屋を使いこなせていない例も多い。
そこで、子ども部屋の研究を通して「いつ、どの様な部屋をどう与えるべきか」解明していくことで、より多くの親子が子ども部屋を最大限活用出来るよう、研究成果をもとにした子ども部屋空間についての提案を小冊子にまとめた。
本研究では「①既往文献の調査」、「②親と子の意識および子ども部屋の実態についてのアンケート調査」を行い、「子ども部屋の与え方」について以下の知見を得た。
●部屋を与える時期は、小学 4 年生以降
①プライバシー意識・自我が芽生え始める時期は小学校 4 年生以降、部屋を早く与えすぎると持て余す。
②小学生は自室があってもあまり使わない。小学校 3 年生までは部屋の掃除が難しい
⇒小学校 4 年生になるまでは部屋を生かしきれない。
●与える部屋の広さは、3 畳
①広く快適な部屋は子どもが引きこもってしまう、子ども部屋を広くするならその分 LD を広くすべきであり、子ども部屋は狭い方が良い。(具体的には 3 畳)
②4 割の子どもは 3 畳の部屋を受け入れる。親との関係が親密なほど 3 畳の部屋を受け入れ、部屋に引きこもりたい子ほど広い部屋を望む。小学生は狭い部屋ほど管理しやすい
⇒子ども部屋を与える際は、初め狭い部屋を与え、必要に応じて徐々に広げるのが望ましい。
● 兄弟がいる場合は、初めは共有部屋を与える
①共有する空間や家具(共有机や共有本棚、共有クローゼットなど)を持つことで顔を合わせる機会を増やし、会話とは違うコミュニケーションができる
②小学生は共有部屋の方が、大学生は個室の方が掃除する。大学生で共有部屋の子は親や兄弟との関係が悪くなる傾向がある。中学生頃から共有部屋の子は部屋を仕切り始める
⇒初めは共有部屋を与え、まずは兄弟で協力して親から自立してもらうことを目指し、その後「1 人での自立」を目指し徐々に共有部屋を仕切っていくことが望ましい。
これらの研究成果を元に考えた具体的な子ども部屋空間についての提案は小冊子「子供部屋手引書」にまとめた。
小冊子「子供部屋手引書」