建築・インテリア学科 インテリアデザインコース
作品仕様
作品解説
現在、商店街や住宅街、オフィス街など様々な街が存在している。様々な街がある中で、自分にとって「歩きにくい」と感じる場所があり、それは個人によってまた環境によって異なるのか疑問に思い、本研究を行った。その結果、「人がほどほどにいる」「人との距離が保てる」「安心できる」場所が歩きやすい・過ごしやすいと感じてもらえる街空間であること、インドア派、アウトドア派で歩きやすいと感じる場所が異なることが明らかとなった。
本研究では、歩きにくい・好んで行きたくないと感じる場所の特徴を明らかにすることで、今後の街づくりの参考にすることを目的としている。
まず、どのような要素が歩きにくさに関係しているか知るために予備調査を行った。その結果を踏まえて、個人の生活感や価値観を問う質問を加えてSD法によるアンケート調査を行った(被験者20人)。調査対象者を価値観の1つであるインドア派とアウトドア派に分けて分析したところ、歩きにくいと感じる場所は、「アウトドア派は人通りのある場所」、逆に「インドア派は人通りのない場所」であることが明らかとなった。因子分析の結果から、歩きにくい場所のイメージは人混み感、場違い感、不安感、疲労感の4因子で説明できることが分かり、特に人混み感と不安感が影響していた。
得られた結果をより詳しく調査するために写真を5枚から16枚に増やして追加調査を行った(被験者40人)。インドア派とアウトドア派で分けてクロス集計を行った結果、前回と同様の結果となった。「人との距離を守れること」「安心できるか」が歩きにくさに関係しており、先の調査結果の信頼性を高めることができた。
総合的には「人がほどほどにいる」「人との距離が保てる」「安心できる」場所が歩きやすい・過ごしやすいと感じてもらえる街空間であり、多くの人に好まれる場所であることが分かった。また、インドア派は人通りのある場所が、アウトドア派は人通りの少ない場所が歩きやすいと感じていた。歩きやすいと感じられる場所を増やすことで、日常生活を快適にし、現在のストレス社会や、SDGsのひとつである「住み続けられるまちづくりを」の達成に少しでも貢献できればと考える。