デザイン・造形学科 グラフィック・プロダクトデザインコース
作品仕様
作品解説
便利な物事が増えていく世の中に疑問を持ち、アナログな物こそ私たちの生活にゆとりや豊かさをもたらしてくれるのではないかと気がついた。版画や昔の印刷技術による版のズレ、かすれ、凹みから、人の手が加わった物の豊かさに私は魅力を感じ、時間と手間をかけ、アナログな方法で紙雑貨を作りたいと思った。カレンダーは活版印刷を日常に取り入れられるアイテムでもあり、是非生活の中にアナログな物を用いる豊かさを見い出して欲しい。
プロセス
テーマに適した版画技法や活版印刷について調べるところから始め、活版印刷が出来るスタジオを自身で調べ、インターンとして通いながら制作を進めることになった。求める表現に合う技法や素材選び、活版印刷に適した紙選びにもこだわった。ゴム版を彫り、刷り、活字を組み、刷る。後半はひたすら地道な作業を繰り返した。制作の様子も撮影しながら進め、最後にはメイキングムービーも作成した。全て自分の手で作るということにこだわった。
教員講評
デザインのほぼすべての工程がPCモニター上で完結する現在にあって、作者は活版印刷というオールドメディアに取り組んだ。バラバラな鉛の活字を一文字ずつ正確・丁寧に並べる組版作業には、根気と繊細なタイポグラフィセンスが要求される。作者は今回の制作を通じて「温故知新」の体験的な学びと、暮らしに身近な日用品に手作りの温もりをもたらすことに成功している。研究(input)と制作(output)を見事に両立させた真摯な卒業研究である。
グラフィック・プロダクトデザインコース
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