作品仕様
作品解説
ここはいわゆる学校ではない。学校でも家でもない「サードプレイス」になるような、風と光あふれる場。今、日本に必要だと言われるイノベーションを育む、新たな学びの場を提供する。エドテック的に、何度でも授業を受けることができるプログラム、内と外、学と遊が自然に連続する自由で曖昧な空間。紙をクシャクシャにした「しわ」をイメージした居場所。子供の表情や脳に「しわ」が多く刻まれていくような場になることを願う。
プロセス
昔から学校建築に対してある種の違和感を覚えていた。グリッド状に並ぶ牢獄の様な教室。
それを打破すべく新たな学校のデザイン過程でスケッチを重ね、ふと没案のクシャクシャの紙の山が目にとまった。その「しわ」が空間や脳の「しわ」に見えてきた。そうだ、クシャクシャにした様な建築をつくれば、「しわ」には多様な空間の窪みができる。「しわ」が自然と子供達のディスタンスも保ち、各々の心の居場所もできるのではないかと。
教員講評
この作品からは心の声が聞こえてくる。日本特有の義務教育は決まり事が多い、あの枠から飛び出し自由にという作者の心の声だ。クリエイティブになりたいのなら枠からはみ出なければならない。クリエイティブと呼ばれたいなら、心で感じた思いを表現しなければならない。多くの人を惹きつける魅力的な新たな教育のスペースデザインが生まれたのは、そういったアートにも通ずる、激しくもスマートな意志が迸っているからではないか。