デザイン・造形学科 ジュエリー・メタルデザインコース
作品仕様
3DCAD、ダイレクトキャスト・SV925
500×320×205(mm) 5種11点
500×320×205(mm) 5種11点
作品解説
作品コンセプトは“組み合わさるジュエリー”として継手をモチーフに構成しました。木造建築に用いられる木材の強度を保ち継ぐこの技術に着目し、5種類の仕口を用い5種類11点の作品を提案しました。手作業では困難な内部構造を3DCADと3Dプリンターを用いることで実制作を可能としたモデルに仕上げ、内部構造も3次元ボロノイ構造と呼ばれる構造をベースにデザインをしました。分けてペアジュエリーとしても、組み合わせて1つにしても使えるデザインとなっています。
プロセス
当初のプロトタイプは継手のように組み合わさる形ではなく、単なる四角柱の中に線を組み合わせた構造体でした。しかし、これではデザイン展開の幅が見出せないと感じ、この時点で継手の構造に着目しました。本や資料から継手の種類や構造を学び、CADにて再現し構造の研究を開始。本来の仕口からデザイン的に変更した部分も複数あります。これらを面ではなく線で表現するため、線の太さと間隔の調整を繰り返し、現在の形へと近づきました。そして、ノードと呼ばれる計算式を用い、3次元ボロノイ構造による継手を完成させました。
教員講評
本作品は、近年ジュエリー業界でも活用されている3DCADでの制作に挑戦し、効果的なデザインと完成度を持ち合わせた優作である。難解な制作工程は、建築の継手と仕口の研究と3DCADによる金属造形の可能性の研究が含まれ、複雑な空間の面白さを生み出した。様々なバリエーションのある形は魅力的な構造を持ち、手に取る楽しさと身に着けるファッション性を提案した新しいジュエリーとしての展開を期待させる。