デザイン・造形学科 グラフィック・プロダクトデザインコース


作品仕様
作品解説
旅行する時、カードゲームは必要不可欠なアイテムの一つだろう。そこで、カードゲームを楽しみながら、旅先の国について学ぶことができれば、知識も深まり、旅がより面白いものになるだろうと考え、「行事札」を制作した。行事札は、その国の主な行事や祭りをテーマとして、花札の遊び方をベースにしたカードゲームである。
提案したカードゲームは、私の母国タイ王国と留学先の日本、興味のあるオランダ、それに有名な行事が多いスペイン・インド・フィリピンの計6カ国である。
プロセス
世界のカードゲームの中で、旅行に適したカードゲームの遊び方を調べ、日本の花札に目をつけた。並べられたときに目を楽しませるよう札の形を変え、国々の主な行事や祭りを調べた上で、札に使うイラストは行事ごとの特徴を捉え、分かり易く表現することを心がけて描き進めた。また、その国の雰囲気が伝わるようパッケージデザインや説明書を工夫した。さらに、深い情報を知ってもらうためのプラットホームとしてウェブサイトも制作した。
花札の昔ながらの雰囲気を生かしつつ、現代的なアートスタイルのイラストを描き、その国の雰囲気が出るようにデザインした。
6カ国のカードゲームを制作した。(6カ国×48枚=計288枚)実物制作はタイ・日本・スペイン・オランダの4カ国で、残りのインド・フィリピンの2カ国はイラスト制作のみとした。
お土産にも旅行用の暇つぶしにもなるカードゲームなので、コンパクトで持ち歩ける形を意識して制作した。また、行事札は世界で売る商品のため、説明書にはその国の言語と英語を併記して載せてある。
花札の昔ながらの雰囲気を生かしつつ、現代的なアートスタイルのイラストを描き、その国の雰囲気が出るようにデザインした。
日本・タイの行事札
スペイン・オランダの行事札
インド・フィリピンの2カ国はイラストのみのデザイン制作
教員講評
旅の楽しみ方は様々だ。この提案は作者自らの旅行経験から導き出されたものだ。国ごとの祭りや行事の特徴をイラストによって表現したカードから、文化の理解を深めると同時に、このカードゲームで遊んだその記憶さえも旅の想い出となるだろう。作品の見どころは何と言ってもイラストの秀逸さ。色やフォルムのトーンがしっかりと意識されており、制作した6カ国、計288枚の出来栄えは圧巻。作者のモノ作りに対する熱意が伝わってくる。