建築・インテリア学科 インテリアデザインコース
作品仕様
作品解説
本研究の背景は、デジタルの普及から画面に集中し現実の世界が曖昧になっていることや、人口の減少、少子高齢化による過疎化で、その街の本来の良さや盛り上がりがなくなったことから、人の目を惹きつけるものが必要だと考えた。そのため、テーマパーク国内市場シェア率55%を誇る東京ディズニーリゾートを参考に、世界観を創り上げる秘訣は何か研究を進めていく。
まず初めに、環境的要素が心理的変化に大きく関係していると考察をし、パークで1日過ごす中で高揚感を感じる場面、印象に残っている場面についてアンケート調査を行った。高揚感を感じやすい「入園ゲートを通った時」は現実を感じにくく、反対に高揚感を感じにくい「電車や車に乗った時」は現実を感じやすいという結果となった。印象については、来園回数が多い被験者は、建物やBGMといった「パークの雰囲気に関するもの」が、少ない被験者はアトラクションやプロメテウス火山といった「遊園地を代表するもの」が印象に残りやすい結果となった。プロメテウス火山が印象に残りやすい理由として、入園ゲートと離れており、道標の役割となっているからであると考察した。
次に、異なるエリアが共存するための秘訣である境界領域デザインについて研究を進めた。
緑や岩といった自然なもので隠すこと、BGMの音量を調節して自然にフェードアウトすること、隣合ったエリアのコンセプトに共通点を作ること、シンボルを各エリアで1つ作ること、照明の色合いや形を一緒にすること、ベンチの向きを対にし違いを出すこと、曲線の道や橋で視界とBGMを遮ること、床の色の違いを石畳で調和させること、太陽の向きを考慮すること、トンネルで視界を遮るよう工夫すること、といった12個のデザイン要素があることがわかった。
境界領域のまとめとして、TDS内外はゲートによって境界領域が明瞭で、TDS内は境界領域以外のエリアの境界は明瞭であるため、それぞれのコンセプトが混ざらず存在できている結果となった。エリア内は、1部のアトラクションなどの境界が明瞭であるため、エリアの世界観を維持しつつ、アトラクションの世界観も別で作ることが可能であることがわかった。以上の結果から世界観をデザインするための8つのカテゴリー20の掟を提案する。