
作品仕様
判型:240×240mm
ページ数:120ページ
上製本、糸かがり綴じ
ページ数:120ページ
上製本、糸かがり綴じ
作品解説
本研究はあらゆる世代・性別・職種の人々に「自分の宝物」を尋ね撮影をし、それにまつわるエピソードを取材して一冊にまとめた写真集である。「他人からすれば大したことのないものだが、自分にとってはとても特別なもの」を答えてもらうことによって、その人の深い想いを聞くことができた。また宝物という抽象的なテーマに対する多様な解釈から、現代を生きる人々の価値観や人生観が浮かび上がる作品となっている。
プロセス
取材対象者は、あまり話したことがない人や初対面の人を選んだ。最初に宝物について尋ね、そのエピソードを聞いた後に撮影を行った。宝物に込められた想いや背景を写真で伝えることを目指し、単なる物撮りではなく、ストーリー性を意識した。文章作成においては、インタビュー内容を忠実に再現しつつ、「読者に読ませる」構成を心がけた。読点を多用せず、句点で文章を区切ることで、丁寧にじっくりと読んでもらえるよう配慮した。
カバー : バージョン2
本文
教員講評
人が心の奥にそっとしまっている宝物とは何か?その問いを下は8歳から上は102歳まで多種多様な人物に尋ね、その物語 を写真と共に記録した。取材対象者たちは、宝物を単に大切だという理由では選ばない。掲載された60名の宝物は、他者への執着、消せない恨み、エゴ、自己 証明、失った切なさなど、読者の想像を鮮やかに裏切る。読後は静かに人間の奥深さや愛おしさが立ち上がってくる、良質なビジュアル本となった。誠実で丹念な取材の賜物であり、高い評価に値する。