
作品仕様
透かし彫り・切嵌象嵌・はり合わせ・彫り・煮色着色/銅・赤銅・純銀・黒四分一・銀メッキ
H50 × W105 × D105 (mm)
H50 × W105 × D105 (mm)
私が育った群馬県の詩人・萩原朔太郎の詩「猫」を主にモチーフとした香箱。
『まつくろけの猫』が『よるの家根のうへ』で言う。
『おわああ、ここの家の主人は病気です。』
「猫」は他人、「病気」は他者との違いである。
朔太郎を悩ませた「無為孤独」と「精神的苦痛」の中で生まれた「過失」の詩の世界に、私自身の過去の後悔を重ね表現した。言葉未満の孤独が、筐の底からじわりと煙る。