建築・インテリア学科 インテリアデザインコース
作品仕様
作品解説
本研究では、「街の景観と服装の関係」をテーマとし、どのような要素が街並みを構成し、街に居る人の服装にどのように影響を与えているのかを明らかにすることで、今後の街の景観を豊かにすることを目的としている。結果、建築物の密度や景観の色の多さがその街に対する人々の一般意識である「敷居の高さ」を決定し、服装への注意も多くなることが把握できた。また、敷居の高さが服装への注意、つまりドレスコードの内容に繋がると推考する。
はじめに、ドレスコードとは、一般的に「場所や立場にあった服装を整えるルールという意味で使用される。本研究ではドレスコードを「街の景観を意識し、自ら設定した規範や制約」と位置付ける。
この位置づけにより、ドレスコードは、東京都内の街の文化や特徴を尊重し反映する、街全体の一体感を高めるための大切な要素であると捉えられる。
街の景観が人々のドレスコードにどのように影響しているのか、それを明らかにするために「街の景観」、「街にいる人の服装」、「街に行く際に服装で気を遣う点」のイメージを質問するインタビュー調査を実施した。Instagramにて「#◯◯(街の名前)ファッション」で検索し、500件以上の検索結果が見られた渋谷、銀座、下北沢、原宿、表参道を選定している。
インタビュー調査の回答中のキーワードを整理・抽出し、挙げられたキーワードがどの視点から挙げられたものなのかという点を識別した。渋谷はどの要素も中性的で多様性があり、「自分らしさ」が尊重される街と読み取ることができる。下北沢と原宿についての回答で挙がった「賑やか」、「商店街」、「多数の店舗」、「カラフル」などのキーワードは、建築物の密度が高く、景観から捉えられる色が多いことに起因するものだと推測される。また、銀座と表参道につおての回答で挙がった「静か」、「大通り」、「無機質」などのキーワードは、建築物の密度が低く、景観から捉えられる色が少ないことに起因するものものだと推測される。この結果が、都市のなかで繰り広げられる人々の衣生活の現代史の記録としての極一端を担うことが出来ると考えられる。