
作品仕様
作品解説
日本以外の多くの国では、新築と中古のどちらも良いというように日本との認識の差がある。そこで、日本での中古に対する認識を変える必要があると考えた。「中古に触れる機会を日々の生活の中に増やして みるのはどうだろうか」という仮説を立て、賃貸不動産事業の提案を研究対象とした。結果として、現在の日本にマッチするような家具付き賃貸物件を取扱う不動産事業が明らかになった。
本研究は、海外にならって家具付き賃貸物件を扱う日本向けの不動産事業を明らかにすることを目的とする。
まず、売り手と住み手の分析を目的とした文献調査を行なった。結果として、売り手は外観内観の清潔さへの気配りが必要であり、住み手は住宅性能の評価を自己判断ではなく他者に委ねるべきだと明らかになった。
次に、アメリカの不動産サイトと物件について調査を行い、住み手と不動産屋のコミュニケーションにはインターネットが欠かせないことが明らかとなった。また、多くの物件で全部屋にインテリアがあり、生活必需品が十分に揃っていることが明らかとなった。
次に、過去運営されていた賃貸住宅事業を対象に調査を行い、サービス内容は魅力的だった反面、サポート体制が不十分であることが利用者に不信感を与えてしまい事業撤退に至ったと明らかになった。
以上の結果をふまえて「エコに受け継ぐ住まい」がコンセプトの新規不動産事業を提案する。本研究の提案内容が、既存住宅市場が活発になる手助けになることを期待する。
結論として、既存住宅への住み手の抵抗感を減らすにはサービス内容を充実させるとともに、サポート体制を強化する必要があることが明らかとなった。事業体制が不安定であると十分なサポートが提供できないため、他業種を巻き込んだレビュー制度が解決策となると考えた。住み手と売り手の性質と海外と日本の既存サービスを参考にした、新たな日本向けのサービスを提案できたと考える。