作品仕様
作品解説
病気の待合室における居心地の良さとは。 本研究では、医療体験の質を左右する待合室の「居心地の良さ」に着目する。その中で、観葉植物のもたらす影響について深掘りしていく。観葉植物がもたらす癒し効果やリラックス効果は広く知られているが、その効果を病院の待合室という条件付きの特殊な環境でどのような効果をもたらすのかを明らかにする。
病院の待合室における主な課題は、長時間にわたる待ち時間による精神的疲労、そして無機質で冷たい空間がもたらす心理的閉塞感である。多くの患者にとって、病院はすでに不安や緊張を抱えて訪れる場所であり、そのような状況で長く待たされることは、心身の負担をさらに増大させる要因となる。
本研究では、患者が心身ともに安らぎを感じられる空間を創出するための、観葉植物の最適な配置方法に関する具体的な指針を提示することを目的とする。調査では観葉植物の「量」「高さ」「置き方」に着目し、3 項目に対するアンケート調査と、その結果に対する各項目で差が見られなかったものをさらに深掘りしたインタビュー調査を待合室全体と受付周辺の2つの場面に分けて実施した。これにより、単に「植物を置く」だけでなく、「どのように置くか」という実践的な知見を提供することが可能となる。
結論として、待合室全体では「中程度〜多量」の植物を「床置き」で配置することが望ましく、高さは視線を緩やかに遮る「中程度」が適している。受付周辺では、「少量」の植物を「吊り下げ」で配置することが望ましい。という各場面で最適な量や配置方法が異なる結果となった。待ち時間に長時間待機する待合室全体と、スタッフとのコミュニケーションが生まれる受付周辺では、用途の違いから適切量が異なる結果となったと考えられる。
この結果が今後の待合室の居心地の良さの改善に繋がることを期待する。
