建築・インテリア学科 インテリアデザインコース

作品仕様
作品解説
言葉の意味や使い方は時代を経て変化している。みなさんは「そもそもインテリアってなに?」という質問をされてすぐ回答できるだろうか。
本研究では、言葉の歴史を辿り使い方の変化を調査し、現代の人が抱くインテリアのイメージ、海外ではどのようなインテリア教育を受けることができるのか、そこから見える自分なりのインテリアの定義を見つけることを目的とした。
まず、インテリアはどのようなイメージを持たれているのか。それを調査するために本校、建築・インテリア学科1年生と建築にあまり関わりのない一般の人にアンケート調査を行った。インテリアと聞いて初めに思い浮かぶものを「家具」、「空間全体」、「雑貨・小物」から選択してもらった結果、「インテリア=家具」と考えている人が多いことが分かった。しかしインテリアデザインには空間の心理的な影響に左右する色彩などの要素も備わっているため、認識が偏るのはインテリアの包括的な役割を十分に理解できていない可能性があるのではないだろうか。
また、建築とインテリアの違いに関しては、全体的に対照的なイメージを抱いていることが分かった。近年、建築とインテリアの境界が曖昧になってきているように感じるため、両者一体として学ぶ教育が重要であると考える。
インテリア教育の観点において、インテリアデザインを学べる海外の大学を4校ピックアップし、日本との比較をした。
結果として海外の教育機関はインテリアデザインを独立した学問として位置づけることが多く、より専門的で実践的な内容が充実している傾向にある。対して日本のインテリア教育は、伝統と現代の融合を重視したアプローチを特徴としている。多くの大学では、伝統的な和風建築やデザインの美学を学ぶ科目が設けられており、日本独自の空間感覚を基礎にした教育が行われている。また、建築学科の一部としてインテリアデザインを学ぶ場合が多く、インテリアに特化した教育機関は限られている。
インテリアに対するイメージや教育の特徴などを通して、私はインテリアを「空間をデザインする行為と成果物」と定義づけた。