建築・インテリア学科 インテリアデザインコース

作品仕様
作品解説
建築のファサードは、一度デザインが決まると、その後変更されることはほとんどないと考えられる。そこで、本研究では、音楽と映像を用いることで建築ファサードの印象を変えられるのではないかという視点から検討を行う。今回は「ファッション」をテーマに設定し、楽曲のコンセプトを「ファッションを通じて自分の個性を見つける」、映像のコンセプトを「季節ごとにファサードを着せ替える」とした。
本研究の背景は、大学の授業で「サウンドスケープ」という概念を知り、建築と音楽が融合する可能性に関心を抱いたことにある。そこで、卒業研究では建築と音楽を組み合わせて何か新しい表現ができないかと考えた。そして、音楽に加えて映像も取り入れ、プロジェクションマッピングの制作に取り組むことを決めた。
研究の目的は、音楽と映像を組み合わせたプロジェクションマッピングを建築ファサードのデザインに応用することである。さらに、誰もが容易にプロジェクションマッピングを制作できる手法の確立を目指す。研究を進めるにあたり、プロジェクションマッピング、楽曲の制作方法、映像の制作方法について調査を行った。
プロジェクションマッピングとは、建築物の壁面や家具などの立体物にプロジェクターで映像を投影する技術である。楽曲と映像の制作には、それぞれ専用のソフトウェアが必要であり、パソコンを用いて作成できることが分かった。
楽曲制作の主な流れは、「作曲」「編曲」「ミックス」「マスタリング」の順に進む。作曲ではメインメロディーやコード、歌詞を作り、編曲では楽器や音を配置して楽曲の構成を決める。ミックスでは各トラックの音量バランスや音の質感を調整し、マスタリングでは楽曲を最終仕上げし、公開できる状態にする。制作方法に明確な正解はなく、さまざまな手法を学びながら自分のスタイルを確立することが重要である。
本研究では、「ファッション」をテーマに、「ファッションを通じて自分の個性を見つける」というコンセプトを設定した。ジャンルはEDMのプログレッシブ・ハウスとし、明るく感傷的な曲調を目指した。楽曲制作においては、最初にBPM(曲の速さ)とキー(使用する音階)を決定する。今回は、プログレッシブ・ハウスに多い128BPMを採用した。次に、メロディーとコードを作成し、それを基にベースやドラムなどの音を配置する。その後、各音のバランスを整え、最後にマスタリングで仕上げて楽曲を完成させる。
映像の制作では、個別のパーツを作成し、それらを組み合わせて一つの映像にする。各パーツにエフェクトを加えることで、動きや特徴を表現する。全体のバランスを調整し、最終的に映像を完成させる。
まとめとして、本研究を通じてプロジェクションマッピングが建築ファサードのデザインに応用可能であることが確認できた。また、楽曲と映像はパーツごとに制作することで、比較的簡単に作成できることが分かった。