作品仕様
作品解説
複数の大陸プレートに囲まれ、常に大地が胎動する伊豆高原、城ヶ崎海岸で散骨所を計画。故人は海流によって世界を巡り、波により押し返された遺骨の一部は、鉛直に聳り建つ壁の隙間に流入し、やがて胎動する大地の隆起により、大地と建築と共に移動する。建築が不在となっても、そこで行われていた行為の痕跡が未来へ残り、故人がかつてこの世に存在していたことを大地に刻む。この地球が不滅である限り大地は存在し、”ヒト”が生きた面影を遥か未来の”何か”に証明する。
プロセス
人が介在せずとも自立する自然環境は時に心の拠り所として作用するが、建築も同様に人が介在せずとも自立することができれば建築の永久性を獲得することができるのではないだろうか。環境の歴史的変遷に焦点を当て、建築と大地の存在を等価に扱い、自然がもたらしてきた不変的現象から建築を発生させることで、自然の存在に果敢に立ち向かう建築のあり方を模索した。生まれた建築で、その後起こり得る現象までを再考する事により人の時間軸を超えた新たな可能性を示したい。