デザイン・造形学科 ジュエリー・メタルデザインコース
作品仕様
はり合わせ/銅・銀メッキ(古美仕上げ)
H55×W100×D30(㎜)他5点
H55×W100×D30(㎜)他5点
作品解説
子どもの頃に観ていたヒーローたちを、大人になった今でも身近に感じたい。「童心に帰りたくなるジュエリー」をコンセプトにバックルを制作した。ヒーローはさまざまな装飾をしているが、何気ない日々に存在が感じられるよう日常使いしやすいバックルにした。大人に向けたアイテムのため立体的にして重厚感を表現し、また幾何学模様を用いることで機械的かつ変身ギミックを感じられ、童心がくすぐられるデザインで制作した。
プロセス
紙模型をもとに、銅板を各パーツに合わせ切断し折り曲げていく。このとき、鏨で溝をつけることで鋭角にしシャープにできた。幾何学パーツは板をはり合わせることで機械仕掛けの雰囲気を出した。
試作では接合を全てろう付けで行ったが効率化と仕上げの美しさを検討し、ろう付けに加えリベットと半田付けを用いた。
銀めっき後は古美仕上げを施すことで、全体に重厚感と格好良さのある機械的な印象になった。
教員講評
子供の頃の心に深く刻まれたヒーローの印象を、大人のジュエリーとして再構築するという造形にわくわくした思いが感じられる。そんな思いに拘って機械仕掛けの重厚感を表現した作品である。技術的には合わせ作業の繰りしで、精巧な模型と金属加工の技術が求められる。組み立てにも計画性と集中力が必須である。いぶした仕上げによって銀色が深みを増し、大人が日常に使用でき思いも共有できるバックルとして完成した秀作となった。