作品仕様
作品解説
私は引き出しの多いデザイナーになることを目標としている。学生のうちに少しでも自身のデザインのレパートリーを増やすために、同じお題で多くのアイデアを出す練習をしたいという思いから、さまざまな0から9の数字を制作し、日めくりカレンダーという形でまとめた。また、これまでとは違った印刷方法に挑戦したいと思い、カスれや色ムラが特徴的なリソグラフ印刷を利用した。手に取る人がこのカレンダーをめくることを日々の楽しみにしてほしいと思い、一日いちにちに個性を持たせようと意識して制作を進めた。
プロセス
様々な表現で作字をするために参考書等でリサーチするところから始めた。自分の中でイメージを設定し、手描きでラフスケッチを行った。パスデータ化したおよそ20種の0から9の数字を1日ずつランダムに配置し、365頁のカレンダーを制作した。日付以外の情報は最低限に抑え、メインのタイポグラフィがより際立つレイアウトを目指した。月ごとにカラーを変え、休日は数字を白抜きにする形で差別化を図った。また、一目で1年分のタイポグラフィを楽しめるように一覧形式のポスターを制作した。
教員講評
デザインの幅を広げたければインプットとアウトプットを繰り返すしかない。
365種の作字を自らに課した本作は多くの学びがあっただろうと想像する。
全体と細部、可読性・視認性・判読性といった機能的な側面、カラーコントロール、網点への配慮等、様々な目配せが必要だったと思うが、固定観念にとらわれることなく、のびのびと数字と戯れる佇まいに好感が持てる。
それぞれの日付に同じ表情は二つと無く、随所に新規性がうかがえるタイポグラフィとなった。
日常にささやかなアクセントをもたらしてくれる秀作だ。